これは私の中で、Beatlesではベストな作品です。
しかし作品の出来とは裏腹に、このアルバムはいわば『ごった煮』です。
Beatles中期の作品は、構成を伴った、ストーリー的なある種のコンセプトを持った作品が多いです。
『REVOLVER』『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』などがそれに当たります。
しかしこの作品はもう滅茶苦茶です。
最初は一つのまとまったAlbumにしようとしたが、ダメで、いわゆる作りっぱなしになっていた作品を詰め込んだのがこのAlbumです。
う~む。確かに全体的なコンセプト上のまとまりは感じられません。
しかしこのAlbumには人生の喜怒哀楽全てが詰め込まれていると言っても過言ではありません。
言わば、コンセプトは『混沌(Caos)』です。
中には『OB-LA-DI,OB-LA-DA』や『BLACKBIRD』、『MOTHER NATURE’S SON』など有名な楽曲も少なくないが、あまり知られていない曲(もっとも Beatlesファンにはお馴染みの曲ではあるが・・・)
が宝石のごとく散りばめられています。
まず『WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS』。
最初この曲を聴いた時、第一フレーズのギターの音を聴いてすぐ彼だとわかりました。
そう、Eric Claptonその人です!
この曲は稀代のギタリスト、Claptonと奇跡のバンド、The Beatlesの歴史的なセッションであり、楽曲としても非常に完成度が高いです。
何よりClaptonのギターが本当にすすり泣いているのです・・・。
そして『HELTER SKELTER』。
HARD ROCKが持て囃された時代に、人々は口を揃えてこうBeatlesを嘲笑しました。
「奴等にHARD ROCKはできないだろう」
これにジョンとポールが黙っている訳がない(笑)この曲はBeatlesのHARD ROCKへの挑戦状です。
そしてまさしくこの曲はHARD ROCKの精神そのものです。
最後に私の一番好きな曲。
『HAPPINESS IS A WARM GUN』
この曲はいわゆるドラッグ・ソングとして名高いですが、この曲は苦悩するものを最後に悟りの境地に連れて行ってくれるような、そんなドラマを内に含んでいます。
明確な説明抜きに、この曲は本能的に好きです。
他にもこのAlbumは本当に才能の玉手箱であり、きっと誰でも生涯忘れられない曲が1曲は見つかるであろう、本当に魅力的なAlbumです。
他人に何かを薦めるのは本当に勇気がいるけれども、ぜひ聴いてみてください。