ジョージ・ウィンストン リメンブランス

2001年9月11日に起きた同時多発テロの記憶は、鮮明な映像で頭の中に残されています。しかし、2016年の9月になれば、もう、15年も経つのです。若い人の中には知らない人も増えました。
あの時は、日本人も多くの犠牲者が出ました。大きなビルに、飛行機が、しかも乗客を乗せたままの飛行機が突っ込んで行き、まるで映画の特撮を見ているかのような映像が、延々とテレビに映し出されました。

このCDを見た時は、あの騒ぎの最中、テロのあと、こんなに早く犠牲者へのチャリティーアルバムを録音したのか、と驚きました。さすがジョージ・ウィンストンです。
ジョージ・ウィンストンは以前から知っており、来日したときにはコンサートにも行った事があります。ナチュラルなピアノの演奏が素敵なピアニストです。CDも何枚も持っていますが、これは特別な一枚です。

見つけた時、ジョージ・ウィンストンのなら、買って間違いないと言う思いと、あまりにも多くの犠牲者に、何が出来るのだろう・・・と、考えていた時だったので、CDに「おの録音におけるアーティストの印税は2001年9月11日に起きた同時多発テロで亡くなられた方々とご家族に寄付いたします。」と書いてあったのとで、試聴もせず、迷わず購入したのです。

納められている曲はピアノ曲ばかりではなく、ジョージ・ウィンストン以外のアーティストの演奏も入っているのですが、どれも、その時の沈鬱な気持ちの私に寄り添う、優しさのある曲ばかりでした。
憎しみの連鎖が起きようとしている時に、音楽の力はとんでもない力を発揮するものなのですね。

幸いにも、私の知人はテロに巻き込まれた人はいませんでした。しかし、その後、日本では大震災が続きました。未曾有の被害をもたらした東日本大震災です。同時多発テロと違わぬ悲惨な映像が、ひっきりなしに映し出されました。スマートフォンの普及により、多くの動画が撮影され、生々しい惨状が伝えられたのです。知り合いも被災しましたし、自分の暮らしにも多大な影響がありました。

続いて熊本地震です。津波こそ無かったものの、その被害もまた、信じられないほどでした。つい最近まで、行方不明だった方がやっと見つかり、お盆に間に合ったのが、ご家族にとってはせめてもの事だったでしょう。

このCDは、人を悼む時、故人を忍びたい時、心静かに思いにふけりたい時に聞く、大切な一枚です。これ以上、テロや災害が起きないことを祈っています。