内容を知らずに買ったCD、グリーンスレイドの“タイム&タイド”

昔はCDの内容を知らずにジャケットを見て、そのデザインに魅かれてCDを買う事が時々ありました。

今思えば、まるで宝くじを買うような話で、ジャケットが良くても好みの音楽じゃなかったらどうするの?という気もします。

それでも、グリーンスレイドは私にとっては見事に大当たりのCDでした。

CDショップで何かいいCDはないか、と探していたところ、緑色の、右手と左手がそれぞれ2本ずつ(他のアルバムでは左手が3本描かれていますが)あり、鋭く赤い目の魔物が描かれたようなジャケットを見つけました。それまでこのグリーンスレイドというグループさえも知らなかったのですが、その棚にあった彼らのCD4枚をまとめて買ってしまいました。

ジャケットのイメージでは、とにかく賑やかなロック、歌というよりも叫び声を曲にしたような音楽…という事を覚悟で聴いてみたのですが、私の予想に反してどれも素晴らしいアルバムでした。

中でも一番気に入ったのが、この“タイム&タイド”です。

このジャケットの後ろにはライブ時の舞台の写真があり、その中央には白いギターが写っていますが、このバンドはツインキーボードで、ギターよりもキーボードの音がメインのような気がします。それが彼らの音楽の世界を広げているとも言えるでしょう。

1曲目のアニマルファームもとてもノリが良くて好きな曲の一つです。テンポがいい、ノリがいいという事は、キーボードのテクニックもかなりのものではかいかと思われます。

また、彼らのアルバムには必ず歌詞が入っていない、インストゥルメンタルの曲が入っています。

3曲目のタイムはコーラスは入っていても歌詞はありません。そしてその曲調はまるでハイドンやヘンデルの時代の讃美歌を思わせるような、そして演奏されているキーボードがパイプオルガンを思わせるような、厚みのある音楽になっています。

4曲目も同じくインストゥルメンタルの曲で、3曲目の終わりから4曲目にかけて、アタッカのように続けて演奏されています。

一番耳に残ったのが、細かいリズムを刻んでいるドラムの正確さです。

いや、プロですから、ドラムが正確にリズムを奏でるのは当たり前なのでしょうが、それでもその正確さに驚かされました。途中で変拍子に変わるところがあるのですが、それでも同じ細かなリズムを刻み続けているのです。この曲の中で使われている手拍子音もとても効果的です。

3曲目から4曲目にかけては曲調が変わる瞬間の緊張感や、そして変拍子が混ざりながらもドラム、キーボードのテクニックを十分に感じさせられる独特の世界が私を夢中にさせました。

調べてみると彼らのCDはこの4枚しか発売されていないようです。(日本では)

今でもこのCDはお気に入りで、本当に大きな宝くじが当たったような、このCDとの出会いでした。